資産運用

2025年8月|NASDAQ100投資信託の信託報酬等を徹底比較

NASDAQ100投資信託の比較|FANG+やSOXとの相違点

NASDAQ100投資信託の信託報酬等を比較

NASDAQ100投資信託の信託報酬は、長らく0.4%台でした。

S&P500やオルカン(MSCI-ACWI)で、信託報酬0.1%以下の激しい競争が続いていたのとは対照的です。

この状況を変えてくれたのが、新NISA開始前に新規設定された、信託報酬0.2%台のSBI・インベスコQQQ・NASDAQ100、ニッセイNASDAQ100、楽天・NASDAQ100です。

これらに対抗するように、2024年6月からeMAXIS NASDAQ100信託報酬が、0.440%から0.2035%に引き下げられました。

新NISAで人気の高いニッセイNASDAQ100と同値の信託報酬を設定してきたのです。

後発のニッセイNASDAQ100に純資産額を抜かれたことが、eMAXIS NASDAQ100信託報酬引き下げの原因になったのかもしれません。

2025年8月時点のNASDAQ100投資信託の信託報酬等を比較を表にしました。

銘柄運用会社取扱大手
ネット証券
信託報酬

純資産額

(百万円)

運用
年数
iFreeNEXT
NASDAQ100
大和SBI
楽天
マネックス
auカブコム
0.495%203,8506年
eMAXIS NASDAQ100三菱UFJSBI
楽天
マネックス
auカブコム
0.2035%175,1544年
ニッセイNASDAQ100ニッセイSBI
楽天
マネックス
auカブコム
0.2035%344,5922年
SBI・インベスコQQQ・
NASDAQ100
SBISBI0.2388%7,4921年
楽天・NASDAQ100楽天楽天0.198%116,2321年

※ 上から運用年数(設定日)順に記載

信託報酬最安値の楽天、つみたて投資枠対応のiFree、総合力勝負のニッセイとeMAXIS

eMAXIS NASDAQ100が信託報酬を引き下げたとはいえ、最安値のファンドは楽天・NASDAQ100のままです。

楽天証券では、同ファンドに0.050%のポイント還元があるので、ポイント還元サービスが続く限り実質の信託報酬は0.148%となります。

他のファンドの追随を許さない破格の信託報酬なのですが、楽天証券でしか取り扱いがありません。

おそらく楽天としても、このファンド単体で収益を上げるというよりも、楽天証券・経済圏に加入してもらうことによる総合的な収益に期待して、この信託報酬を実現しているのでしょう。

一方、iFree NEXT NASDAQ100の強みは新NISAのつみたて投資枠で投資可能なことでしょう。

他のNASDAQ100投資信託が成長投資枠でしか投資できない中で、iFree NEXT NASDAQ100は、つみたて投資枠の採用基準(運用期間5年以上など)を満足しています。

このため、信託報酬が後発ファンドに比べて高くても、大きな純資産額を維持・成長させています。

しかし、あと2年で運用期間5年以上になるeMAXIS NASDAQ100が、このたび信託報酬を引き下げたことで、iFreeも近いうちに引き下げる可能性はあります。

引き下げるならば、唯一のつみたて投資枠対応ファンドの座にあるうちでしょうか。

信託報酬が安く、取扱証券会社数が多いニッセイNASDAQ100は、純資産額でトップに立ちました。

このまま、S&P500におけるeMAXIS Slimのように、NASDAQ100におけるニッセイと圧倒的な存在になるかと思われましたが、eMAXIS NASDAQ100が信託報酬を同値に引き下げたことによって、二強構造に可能性も出てきました。

現在純資産額トップのニッセイも、このままでは先につみたて投資枠に採用されるであろうeMAXIS Slimに逆転を許すかもしれませんので、信託報酬を引き下げるかもしれません。

ただし、米国ETFのQQQの経費率が0.2%、その廉価版とも言えるQQQMの経費率が0.15%ということを考えると、引き下げても楽天・NASDAQ100と同程度の信託報酬が限界と思われます。

このように、日本のNASDAQ100投資信託の信託報酬は、本場米国ETFの経費率と遜色ない水準に達しており、コスト面でも安心して長期投資できる投資商品になりました。

NASDAQ100組入上位銘柄の推移

米国ハイテク株が好調です。NASDAQ100だけではなく、FANG+やSOXも新NISAの人気投資先となってきました。

コロナショックからの回復期に米国ハイテク株が急上昇していた頃は、NASDAQ100とレバレッジNASDAQ100(レバナス)がよく比較されていたのを思い出しますが、新NISAではレバレッジ商品は除外されていますので、ハイリターンを求める熱量がFANG+やSOXに向かったのかもしれません。

FANG+やSOXが、それぞれビッグテックや半導体関連企業に投資比率を集中しているのに対し、NASDAQ100はNASDAQ市場に上場する企業(金融除く)の中から時価総額加重方式で投資比率が決まります。

このため、流行銘柄へ過度に集中することなく適度に分散され、何より企業や業種の栄枯盛衰に応じて、組入上位銘柄が柔軟に変更されるのです。

2024年8月と2025年8月のNASDAQ100組入上位銘柄トップ10を比較しました。

NASDAQ100【2024.8】NASDAQ100【2025.8】
MICROSOFT(8.2%)NVIDIA(9.2%)
APPLE (6.9%)MICROSOFT(8.8%)
NVIDIA(5.9%)APPLE (7.2%)
AMAZON(4.9%)AMAZON(5.7%)
ALPHABET(A)(4.6%)BROADCOM(5.0%)
META(4.5%)META(3.8%)
BROADCOM(4.2%)NETFLIX(3.3%)
TESLA(2,2%)TESLA(2,8%)
COSTCO(2.2%)COSTCO(2.6%)
ADOBE(2.2%)ALPHABET(A)(2.5%)

わずか1年の推移なので大きな変化はありませんが、AI関連企業の比率が上昇し、トレンドに対応できていますね。

AI関連企業が全盛である時代は、NASDAQ100よりFANG+やSOXが強いかもしれませんが、長期投資となれば話は変わってきます。

「米国企業の上位10社 ≒ FANG+やSOX関連企業」であるうちは大丈夫ですが、過去を振り返ると必ずしもビッグテックや半導体関連企業が米国企業の上位10社を占めていたわけではありません。

長期投資が前提なら、特定分野に特化した指数よりも、NASDAQ100のような時価総額加重方式の指数を採用した投資信託が安心ですね。

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