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iDeCoの受け取り方|50代で早期退職した場合の最適な節税方法

2023年12月11日

iDeCoの受け取り方|50代で早期退職した場合の最適な節税方法

iDeCoの受給方法と所得控除

iDeCoの受給方法には、一時金と年金の2方式があります。また、一時金と年金では、税金が異なります。

一時金の場合、「退職所得」扱いとなり「退職所得控除」が適用されます。

計算式は次のとおりです。

  • 退職所得控除額=800万円+70万円×(勤務年数-20年)
  • 退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2

年金の場合、「雑所得」扱いとなり「公的年金等控除」が適用されます。

年齢や所得により控除額が異なります。

公的年金などの雑所得以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合は、次のとおりです。

  • 65歳未満:公的年金等控除額=最低年60万円
  • 65歳以上:公的年金等控除額=最低年110万円

控除制度がiDeCoと重複する所得(退職金、公的年金等)に注意

退職所得控除と公的年金等控除を比較すると、白紙的には「控除額が大きく」かつ「課税所得が1/2として計上」される退職所得控除の方が有利です。

しかし、それぞれの控除枠をiDeCoが専有できるわけではありません。

したがって、関連する所得(退職金、あるいは公的年金等)の状況によっては、必ずしも退職所得控除が有利とは限らないのです。

一時金受給を選択した場合の注意点

一時金を選択して、退職控除を受ける場合、退職金の「受給時期」が重要になります。

退職金とiDeCoが退職所得控除枠を重複使用してしまうと、控除上限をはみ出してしまって税金が過大になるリスクがあります。

重複使用を避けるためには、iDeCoを先に受給し退職金を5年後にもらうか、退職金を先に受給しiDeCoを20年後にもらうしかありません。

iDeCo受給は60歳からなので、40歳以前に退職して、退職金とiDeCoのインターバルを開ける必要があります。

年金受給を選択した場合の注意点

年金を選択して、公的年金等控除を受ける場合、「公的年金等の雑所得」と「公的年金等以外の雑所得」が重要になります。

  • 公的年金等の雑所得   : 公的年金、国民年金基金、iDeCo等
  • 公的年金等以外の雑所得 : 個人年金保険、講演料、作家以外の原稿料、宅配などの報酬等

どちらも所得が多いほど、公的年金等控除額は少なくなります。

公的年金等以外の雑所得が1,000万円以下の場合は、下表のようになります。

受給者の年齢公的年金等の雑所得公的年金等控除額
65歳未満130万円未満60万円
130万円以上
410万円未満
年金額×25%
+275,000円
410万円以上
770万円未満
年金額×15%
+685,000円
770万円以上
1000万円未満
年金額×5%
+1,455,000円
1000万円以上1,955,000円
65歳以上130万円未満110万円
130万円以上
410万円未満
年金額×25%
+275,000円
410万円以上
770万円未満
年金額×15%
+685,000円
770万円以上
1000万円未満
年金額×5%
+1,455,000円
1000万円以上1,955,000円

50代で早期退職して退職金受給した場合のiDeCo受給方法

iDeCoは白紙的には一時金受給で退職所得控除の節税効果を活用するのが良いのですが、私のように50代で早期退職、つまりiDeCo受給前に退職金受給する人にとってはその限りではありません。

まず、会社退職金とiDeCo受給金の合計額に退職所得控除が適用されてしまいます。

もし会社退職金が退職所得控除の大半を占めてしまうならば、iDeCoは退職所得控除をほとんど受けられないことになります。

こうなると、白紙的には控除が少なかった年金受給も選択肢に入ってきます。

例えば公的年金を65歳以上で受給するならば、iDeCoは65歳未満において年60万円まで非課税で受給することができます。

したがって、50代で早期退職して退職金受給した場合のiDeCo受給には、以下のような方法が考えられます。

退職金とiDeCoの合計額が退職所得控除より少ない場合

iDeCo受給可能年齢である60~75歳の間に、iDeCoを一時金受給すると、退職所得控除により全額非課税となります。

なお、受給を遅らせるとiDeCoの維持管理費が積み上がります。

したがって、60歳頃が顕著な下落相場でない限りは、早めに受給した方がいいかもしれません。

退職金とiDeCoの合計額が退職所得控除より多い場合

これは種々のパラメータが絡むので、一例を紹介します

  • 55歳  :退職金受給(「退職金>退職所得控除」ならば全額非課税)
  • 60~64歳:iDeCo年金受給(年60万円まで非課税)
  • 65歳  :iDeCo残金を一時金受給(「退職所得控除の余力 > iDeCo残金」ならば全額非課税)

公的年金の受給額によっては、65歳以降もiDeCo年金受給を継続した方が有利な場合があります。

退職金も公的年金も多く、いずれの控除もiDeCoに使えない場合

退職金も公的年金も多い方は、控除は無いですが、課税所得が1/2として計上される退職所得のメリットを活かして、一時金受給するのも良いでしょう。

iDeCo受給方法を検討する際は、最新の税制を確認しましょう

税制は頻繁に変更されます。

本記事でとりあげたiDeCoと退職金の受給インターバルが14年間から19年間に改悪されたのは2022年4月ですし、2023年の税制調査会では退職所得控除が検討されているというニュースもあります。

「サラリーマンを狙い撃ちとした増税はしない」とのことでしたが、はっきりと「退職金増税はしない」と約束されてはいませんし、本記事の受給インターバル延長のように「それは増税ではない」という改悪があるかもしれません。

このようにiDeCoやNISA制度開始後に後出しジャンケンで課税強化されてしまう不信感が、タンス預金が資産運用に向かわない最大の理由のような気がします。

かといって、これからインフレがあるかもしれない中で、円の価値が下がるとタンス預金も危ういですから、タックスマネジメントも考えていかなければならないと思いました。

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