信玄棒道の散策風景
八ヶ岳南麓に信玄棒道と呼ばれる林道があります。
武田信玄公が開発した軍用道路だったとのことで、元々は八ヶ岳南麓から西麓にかけて上の棒道、中の棒道、下の棒道とあったそうですが、現存しているのは上の棒道だけとのことです。
軍用道路として開発されたためなのか、真っ直ぐで起伏も山麓林道にしては比較的少なく、初心者向けのハイキングコースになっています。
首都圏のハイキングコースとは異なって、人がごみのようになることがなく、行き交う人と頻繁に挨拶しなければならない気忙しさとは無縁なことも魅力的です。
棒道を歩き続けて人里を離れると、このような素敵な林道が待っています。
一見するとどこが道かわからないような感じですが、歩いてみるとしっかりと踏みしめられた地面がわかります。
地面を見ると、落ち葉のクッションの中に様々な植物が生い茂っています。
写真中央部のピンポイントで日が差している部分が、周囲とのコントラストも相まって、とても綺麗でした。
空を見上げると、林間から見事な太陽が覗いていました。
ここは八ヶ岳南麓ですから、日照に恵まれている地域。
そのためか、林道なのに薄暗いという印象はあまりしません。
林間からの日光と、小川からの湿度が相まって、少し虹がかかったような美しい写真が撮れました。
信玄棒道はところどころに小川があるので、清流の様子も楽しめます。
このようにとても素敵な林道でした。
古代の軍用道路として有名なのはローマ帝国のアッピア街道などであり、きっちりと石を敷き詰めた技術には感動を覚えますが、信玄棒道のように自然をそのまま活かす設計にも日本的な美意識を感じます。
人工的な空間から離れて心を癒したい、そのような際には信玄棒道の散策、ぜひ楽しんでほしいなと思います。
