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【新NISA】日本高配当ETFの比較|海運株と配当利回りの関係性

2023年12月12日

【新NISA】日本高配当ETFの比較|海運株と配当利回りの関係性

新NISAの成長投資枠で日本高配当ETFを運用

新NISAの投資方針を検討した結果、つみたて投信枠ではS&P500連動の投資信託、成長投資枠で日本高配当ETF・米国高配当ETF・ADR銘柄を購入することにしました。

新NISAの投資戦略|S&P500投資信託と日米高配当ETFの組合せ
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このうち、日本高配当ETFについては米国高配当ETFに比べて税制面で有利であり、経費率は劣るものの利回り・増配率・株価上昇率といったパフォーマンスでは引けを取らなかったことから、残る課題は日本高配当ETFと米国高配当ETFの保有比率を決めること、さらに日本高配当ETFの採用銘柄相互の保有比率を決めることです。

これらの判断材料として、新NISAへの入金(成長投資枠の年間投資上限は240万円、上限1200万円までの最短入金期間は5年)を継続する間、日本高配当ETFの利回り変動を定期的に調べることにしました。

新NISAの税金|配当金課税される米国ETFと非課税の日本ETF
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日本高配当ETFの銘柄比較(2023.12)

日本高配当ETFの2023年12月時点の実質利回りを表にまとめました。

比較のため、2023年11月の実質利回りを( )内に記載しています。

コード

名称

実質利回り2018年からの
株価上昇率
5年平均
増配率
保有上位銘柄(%)特徴
先月今月
1489

NF日経
高配当50

3.69-0.31=3.38%
(3.66-0.31=3.35%)
38.43%
(39.30%)
18.92%ソフトバンク(3.8)
日本たばこ産業(3.6)
三井住友FG(3.6)
武田薬品工業(3.6)
三菱商事(3.4)
川崎汽船(4.6)
商船三井(3.5)
日本製鉄(3.5)
日本たばこ産業(3.5)
INPEX(3.4)
日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回
りの高い原則50銘柄で構成される株価指数。
予想配当利回り及び流動性を加味したウエート
を用いる。
1494

One高配当
日本株

2.99-0.31=2.68%
(3.00-0.31=2.69%)
31.34%
(30.82%)
48.59%大和工業(3.2)
三井金属鉱業(2.9)
ENEOS(2.9)
日本曹達(2.8)
東ソー(2.8)
三井金属鉱業(3.4)
大和工業(3.3)
ENEOS(3.0)
東ソー(2.9)
ジャフコ(2.9)
TOPIXの構成銘柄のうち、10年以上毎年増配
しているか、安定した配当を維持している40
~50銘柄を対象とした株価指数「S&P/JPX
配当貴族指数」との連動を目指すETF
1577

NF 日本株
高配当70

3.40-0.35=3.05%
(3.37-0.35=3.02%)
19.80%
(21.01%)
10.73%ヤマハ発動機(2.2)
INPEX(1.9)
三菱ケミカルHD(1.9)
豊田通商(1.9)
住友化学(1.8)
出光興産(1.7)
いすゞ自動車(1.5)
川崎汽船(1.5)
日本郵船(1.5)
三井化学(1.5)
国内⾦融商品取引所に上場する全ての普通株式
のうち、今期予想配当利回りの⾼い、原則 70
銘柄で構成される等⾦額型の指数である「野村
⽇本株⾼配当70指数」との連動を⽬指すETF
2564

グローバルX
スーパーディ
ビィデンド
日本株式

4.22-0.43=3.79%
(4.26-0.43=3.83%)
5年未満5年未満川崎汽船(5.4)
リョーサン(4.6)
飯野海運(4.5)
大和工業(4.4)
日本特殊陶業(4.4)
川崎汽船(4.1)
FPG(4.1)
カヤバ(4.0)
NSユナイテッド海運(4.0)
飯野海運(4.0)
配当性向や配当継続性、財務指標の要件を満た
した銘柄の中で、配当利回りが高い銘柄で構成
される指数「MSCIジャパン高配当利回りイ
ンデックス」から各セクターの上限数を決めて
配当利回りの高い25銘柄を選定し、1銘柄
あたり4%でポートフォリオを構成

※ 青太字は前月比上昇、赤太字は前月比低下

海運株の組入比率と配当利回りの相関関係

今月は1489と1577の利回りが上昇し株価が低下、逆に1494と2564の利回りが低下し株価が上昇しました。

「株価×利回り=配当金(分配金)」であるため、特異な値動きではありません。

それよりも今月の特徴は海運株の保有比率が上昇していることです。

表中の先月と今月の保有上位銘柄を比較すると、川崎汽船、商船三井、日本郵船、NSユナイテッド海運、飯野海運といった銘柄が目立ちます。

海運株は総じて高配当なので、高配当ETFの保有上位銘柄を占めることは普通なのですが、貿易で収益を上げる特性上、景気敏感株なので、コロナショックのようなことがあると暴落しますし、戦争などでブロック経済化が進むとなればこれまた暴落します。

とはいえ、個別株ではなくETFですので、神経をすり減らしながら個別株を売買せずとも、ETFの方で勝手に銘柄入替してくれるので、その時々の増配・減配の理由を、なるほどと納得できる程度に把握しておけばよいと思います。

一方で、1494のような連続増配ETFは保有上位銘柄に海運株が入っていません。

ゆえに、利回りが相対的に低いのですが、安定した配当を確保しています。

増配によって利回り4%以上へ成長することに期待

株式の利回りは、購入時の利回りで固定されることはなく、その後も増配・減配と変動します。

これを増配率といい、上記表では「5年平均増配率」を記載しています。

仮に、今月の実質利回りで購入したETFが、5年平均増配率のとおり今後も増配し続けた場合の利回りの推移をシミュレーションします。(2564は運用期間が短いため試算から除いています)

保有年数1489
実質利回り:3.38%
5年平均増配率:18.92%
1494
実質利回り:2.68%
5年平均増配率:48.59%
1577
実質利回り:3.05%
5年平均増配率:10.73%
1年4.02%3.98%3.38%
2年4.78%5.92%3.74%
3年5.68%8.79%4.14%
4年6.76%13.06%4.59%
5年8.03%19.41%5.08%

このように、3年間保有していれば上記3つの銘柄全てで利回り4%以上を達成できるとの試算結果になりました。

直近5年間の増配率は高めの傾向であり、10%以上の増配率を今後も長期で維持できるかはわかりません。

しかし、この3銘柄は個別株ではなくETFですので、定期的に保有銘柄が入替されるので安心です。

ただ、分散の程度は約50社と少ないので、ポートフォリオ全体の利回り安定性を高めるために、先程の実質利回り比較表に記載した「保有上位銘柄」や「特徴」を参考に、複数のETFを組み合わせて相互補完させると、より安心な配当生活につながるでしょう。

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