楽天みらいファンドとは
楽天みらいファンドとは、「グローバル株式への分散投資」「高利回り社債や新興国債券への分散投資」「市場の有事の際にヘッジとなりえる資産を活用」「先進国為替を原則ヘッジ」という設計で、数十年の長期にわたり収益を獲得し続けることを目指すアクティブ型バランスファンドです。分散が効いてヘッジも効くならば、まさしく長期投資に適したファンドでしょう。
楽天みらいファンドの組入銘柄
楽天みらいファンドの組入銘柄は表のとおりです。
主要組入銘柄 | 比率 | |
米国株式 | iシェアーズ・コア S&P 500 ETF | 30.4% |
iシェアーズ・コア S&P 中型株 ETF | 5.1% | |
英国株式 | iシェアーズ・コア FTSE 100 UCITS ETF | 4.9% |
ユーロ地域株式 | iシェアーズ・コア ユーロ・ストックス 50 UCITS ETF | 5.0% |
日本株式 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 5.3% |
新興国株式 | シュワブ・エマージング・マーケット株式ETF | 9.9% |
高利回り社債 | iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 UCITS ETF | 15.4% |
新興国債券 | iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 UCITS ETF | 4.9% |
ボラティリティ関連運用 | 楽天ボラティリティ・ファンド(適格機関投資家専用) | 17.7% |
ご覧のように、一般的な投資信託と異なり、様々なアセットを投資対象としています。これらのアセットが市場環境に応じて動的に運用されることにより、どのような値動きを示すのか興味を持ちました。将来的に退職金運用する投資信託の1つとして採用するかどうかを検討するため、実際に購入して値動きを検証しました。
楽天みらいファンドの値動きを検証
検証期間は、2021年冬~2023年夏の1年半。米国の利上げショックで検証用に購入した多くのファンドが下落する中、債券ファンドは比較的踏みとどまりました。
楽天みらいファンドは、残念ながら結構下落しました。株式ETFの保有比率が多かったことや、債券ETFも高利回り社債のように株式に相関性の高い値動きをする銘柄の保有比率が高かったことが影響したと考えられます。
ここで試されるのが、アクティブファンドならではの銘柄入替や比率変更。先程の表に、米国利上げショック後の変化分を赤字追記します。
主要組入銘柄 | 比率 | |
米国株式 | iシェアーズ・コア S&P 500 ETF | 30.4% → 30.3% |
iシェアーズ・コア S&P 中型株 ETF | 5.1% → 5.0% | |
英国株式 | iシェアーズ・コア FTSE 100 UCITS ETF | 4.9% → 5.0% |
ユーロ地域株式 | iシェアーズ・コア ユーロ・ストックス 50 UCITS ETF | 5.0% → 4.9% |
日本株式 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 5.3% → 5.1% |
新興国株式 | シュワブ・エマージング・マーケット株式ETF | 9.9% → 10.1% |
高利回り社債 | iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 UCITS ETF | 15.4% → 15.1% |
新興国債券 | iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 UCITS ETF | 4.9% → 5.1% |
ボラティリティ関連運用 | 楽天ボラティリティ・ファンド(適格機関投資家専用) | 17.7% → 19.1% |
総じて先進国株式・社債の比率を下げて、新興国株式・債券及びボラティリティ関連運用の比率を上げていました。個別株ではなくETFだからなのか、銘柄入替はありませんでした。
しかし、保有比率の調整はあっても、ファンドの成績は芳しくなく、検証期間中に米国利上げショックからの黒字回復できなかった数少ないファンド(12個ファンド検証し、4個ファンドが黒字回復できませんでした)のうちの1つとなってしまいました。
新NISAの投資信託にはインデックスファンドを採用
楽天みらいファンドに限らず、アクティブファンドの目論見書を読むと、とても周到に考えられた運用をしているように思います。しかしながら、実際の値動きをインデックスファンドと比較すると負けてしまうことが多いです。このことを、今回の12個ファンドを対象とした検証で実感できました。
アクティブファンドの信託報酬は、この楽天みらいファンドのように従来より安価になってきましたが、組入銘柄を指数連動ではなくファンド独自に動的運用する経費が発生するため、インデックスファンドより安価にはならないでしょう。
以上のことから、一般的な結論で恐縮ですが、新NISAで購入する投資信託はインデックスファンドにします。検証を行うなど少し遠回りしましたが、多少なりとも実感することで、自分の中の迷いを払拭することができました。