資産運用

楽天USA360検証!レバレッジ債券のリスクと可能性

2023年12月14日

楽天USA360検証!レバレッジ債券のリスクと可能性

USA360とは

USA360とは、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの愛称で、米国株式(VTI)と米国債券(5年国債と10年国債)を1:3の割合で保有するバランス型ファンドです。

一般的にバランス型ファンド、それも債券を含むとなると「守り」のファンドが多いのですが、USA360は投資額の90%を米国株式、残り10%を米国債券先物取引で27倍にして270%を米国債券、合計360%とする積極的な運用を行うファンドです。

27倍レバレッジ(レバレッジとは値動きを大きくする仕組み)、いくら債券とはいえすごいですね。

ポートフォリオに債券も組み入れたいと思いながらも、資産形成期は期待リターンの大きい株式の方が魅力的で、債券には相対的に魅力を感じないケースも多いでしょうが、USA360なら債券にレバレッジを掛けてくれるので、少額で十分な債券(先物)を購入できそうです。

株式と債券の組み合わせによるポートフォリオ安定化に期待

債券の値動きは株式に比べて穏やかであること、さらに株式と債券の値動きは逆相関の傾向にあることから、債券はポートフォリオ全体の安定に寄与するものと認識していました。

コロナショックでは、株式と債券の組み合わせがポートフォリオ安定化に見事機能しました。

債券にレバレッジを掛けているUSA360が、レバレッジ無しの通常の債券ファンドよりもポートフォリオ安定化に寄与してくれるのなら、資産形成期はもとより、退職金運用の段階でも積極的に組み入れたいと考え、実験的に購入して値動きを検証してみました。

なお、参考のため通常の債券ファンドとしてeMAXIS Slim先進国債券インデックスも購入しました。

利上げショック時には株式とUSA360は共倒れ

検証期間は2021年12月~2023年12月の2年間。

米国の利上げショックで株式も債券も下落局面に入り、下落相場のまま1年間を経て、ようやく利上げ停止予測から上昇局面に戻るという、極めて値動きの大きい期間でした。

検証結果はグラフのとおりです。

2022年の米国利上げショックで30%強も下落し、株式とUSA360は同相関で共倒れとなります。

その後、利上げ停止予測から上昇局面に戻っても、USA360の評価金額は回復が遅く、結局元本割れのまま検証期間を終了しました。

eMAXIS Slim先進国債券インデックスは株式やUSA360よりも穏やかな値動きで、下落も上昇もありましたが、最終的には黒字まで回復しました。

株式と逆相関にはなりませんでしたが、値動きの穏やかさをもってポートフォリオ全体の安定化に寄与したと思います。

債券レバレッジの値動きは退職金運用には高リスク

USA360が同じ債券ファンドであるeMAXIS Slim先進国債券インデックスと異なる値動きをした原因として、レバレッジファンド特有の逓減リスクが考えられます。

レバレッジ効果で強まった下落と逓減リスクで評価金額が下がりすぎてしまい、その後の上昇局面で、下がりすぎた評価金額にレバレッジを掛け続けても上昇率には限界があり、下落幅が相対的に小さかったeMAXIS Slim先進国債券インデックスの方が評価金額の戻りが速いという結果になりました。

もちろん、検証期間が2年間ではなくもっと長ければUSA360の上昇力がeMAXIS Slim先進国債券インデックスを上回る場面があったかもしれません。

しかし、2年間にわたってeMAXIS Slim先進国債券インデックスをアンダーパフォームしたのは事実ですし、この間の年利はマイナスです。

USA360の評価は投資目的によって異なるでしょうが、当ブログでは退職金運用で安定して4%定率取崩しすることを目標としているので、レバナス同様に下落からの回復に要する期間の長いUSA360はちょっと厳しいと感じました。

2024年には米国が現在の高止まりした金利を、中立金利まで段階的に利下げするとの観測もあります。

USA360が輝くとすれば、このような場面なのかもしれません。

追記:FOMCで3会合連続の利上げ見送り(2023.12)

米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、利上げ見送りが発表されました。

これで3会合連続の利上げ見送りとなり、最近のインフレ率低下傾向を受けた事実上の利上げ終結との見方が強まっています。

この結果、2024年の焦点は「いつ利下げを開始するか」に移行しました。

利下げの規模は3回、計0.075%というドットチャートが示されました。

インフレ抑制等が順調であれば、今後3年程度にわたって利下げを続け、中立金利(金利=インフレ率)に至るという観測です。

金利が下がれば債券価格が上昇するので、2024年初は米国債券に関して絶好の買い場になるのかもしれません。

もしそうなれば、米国債券にレバレッジをかけたUSA360は魅力的な投資先になりますね。

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