資産運用

【新NISA】米国利上げショックに動じなかった楽天VYM

2023年9月18日

【新NISA】米国利上げショックに動じなかった楽天VYM

楽天VYMとは

楽天VYMとは、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドの愛称であり、主として「バンガード・米国高配当株式ETF」(ティッカーコード:VYM)に投資するインデックスファンドです。

投資対象がVYMという米国の高配当ETFであることから、楽天VYMと呼ばれます。

本家VYMは高配当ETFであり分配金を年4回出しますが、楽天VYMは分配金は出さず自動再投資されています。

したがって、キャッシュフローを得るためには分配金を出さない楽天VYMは売却を必要とします。

他方、税金の面で考えると分配金が出ると課税されるため、分配金を出さず自動再投資される楽天VYMは有利です。

楽天VYMの組入銘柄

楽天VYMの組入上位10銘柄は表のとおりです。

比較対象として、eMAXIS slim S&P500の組入上位10銘柄も記載します。

楽天VYMeMAXIS slim S&P500
銘柄業種比率銘柄業種比率
JPMorgan Chase金融3.3%APPLE情報技術7.2%
Johnson & Johnsonヘルスケア3.1%MICROSOFT情報技術6.3%
Exxon Mobilエネルギー3.1%NVIDIA情報技術3.2%
Procter & Gamble生活必需品2.6%AMAZON.COM一般消費財3.1%
Broadcom情報技術2.6%ALPHABET CL A通信2.1%
Home Depot一般消費財2.4%ALPHABET CL C通信1.8%
Chevron Corpエネルギー2.0%TESLA一般消費財1.8%
Merckヘルスケア1.9%META PLATFORMS CL A通信1.7%
AbbVieヘルスケア1.9%BERKSHIRE HATHAWAY CL B金融1.7%
PepsiCo生活必需品1.8%UNITEDHEALTH GROUPヘルスケア1.2%

米国株式を投資対象とするファンドという観点では同じでも、VYMは高配当企業を対象としているので、時価総額加重平均型株価指数であるS&P500とは組入銘柄が大きく異なります。

時価総額の大きいハイテク企業は配当金を出さず企業成長に資金を充当する傾向にあるため、必然的に高配当企業を対象としているファンドの組入銘柄にはディフェンシブ銘柄が多くなります。

楽天VYMの値動きを検証

チャートを見れば過去の値動きは参照できるのですが、本格的な資産運用(退職金運用)する際に狼狽売りなどしないため、実際に購入して値動きを事前検証することにしました。

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検証期間は2021年冬~2023年夏の1年半。

検証開始直後に起こった米国の利上げショックのため、検証用に購入したファンドの多くが下落する中、ディフェンシブ銘柄が多い楽天VYMは相対的に踏みとどまりました。

新NISAでは分配金が出る本家VYMを成長投資枠で購入

検証の結果、楽天VYMのようなディフェンシブ銘柄をメインとするファンドを保有することは、資産運用を継続するメンタルを維持するために重要だということが分かりました。

私はこれまでつみたてNISA等でS&P500連動ファンドをメインに資産形成してきました。

退職後の出口戦略では、退職金も元手に加えた投資信託の4%定率売却を考えていたのですが、今回の退職金運用事前検証のように、資産運用開始直後に下落局面がくると、メンタル的に耐えられなくなり定率売却を停止し、安定した収入欲しさに就職活動して社畜に逆戻りという不幸な未来が想像できました。

そこで、退職金等の主要な運用基盤となる新NISAではつみたて投信枠でS&P500連動の投資信託、成長投資枠で日米高配当ETFに投資することにしました。

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資産拡大という観点では分配金を出さず自動再投資してくれる楽天VYMが有利なのですが、投資目的が退職金運用のように安定したキャッシュフローの維持である場合は、本家VYMが合致しています。

とはいえ、楽天VYM、もっと早くからこのファンドの存在を知っていたならば、資産形成期においてもポートフォリオに組み入れていました。

NASDAQ100やS&P500連動ファンドとリバランスしながら資産拡大を進めていったらさぞ楽しかったろうなと思わせるような、右肩上がり優れた上昇率とハイテク株との低相関性を兼ね揃えた魅力的なファンドです。

追記:SBI・VYM(分配重視型)が新規設定

2024年1月30日に米国VYMを投資対象とした投資信託「SBI・V・米国高配当株式(分配重視型)」が新規設定されることになりました。

そのため、楽天VYMとSBI・VYMはどちらが良いかといった趣旨のコメントをいただくことが増えました。

実はSBI・VYMには、楽天VYMのように分配金を出さないファンドと、分配金を出すファンドの2種類が存在し、今回新規設定されるのは後者となります。

そのため、楽天VYMとの比較は難しく、米国の本家VYMとの比較が適切かと存じます。

以下の記事の末尾に整理しましたので、ご参考になれば幸いです。

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いずれにしましても、投資先の本家VYMが優れたETFですので、これを投資信託として運用の幅を広げてくれた「楽天VYM」「SBI・VYM」「SBI・VYM(分配重視型)」、全て素晴らしいファンドだと思います。

投資初心者が少額で積立投資可能、購入単位が小さいのでドルコスト平均法も活用できる、このような投資環境を実現してくれたのは投資信託の登場のおかげですから、優良なETFを投資対象とするファンドはもっと充実して欲しいですね。

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