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新NISAのつみたて投信枠でS&P500投資信託を運用
新NISAの投資方針を検討した結果、つみたて投信枠ではS&P500投資信託、成長投資枠で日本高配当ETF・米国高配当ETF・ADR銘柄を購入することにしました。
新NISAの投資戦略|S&P500投資信託と日米高配当ETFの組合せ
Contents投資目的と投資方針つみたて投信枠ではS&P500投資信託修正:投資先をeMAXIS Slim S&P500から楽天・S&P500へ変更成長投資枠では日米の高配当 ...
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このうち、S&P500投資信託については、「信託報酬の低さ」「純資産額の大きさ」から判断して、「eMAXIS Slim S&P500」を購入予定です。
このeMAXIS Slimシリーズは、継続的に最低水準の信託報酬に修正してくれるので、安心して長期保有できるファンド設計になっています。
しかし、新NISA制度開始を前にして新ファンドが次々と登場したため、今一度S&P500投資信託の比較をおこなうことにしました。
S&P500投資信託の比較(2023.12)
S&P500投資信託のうち、信託報酬が0.1%以下に設定されているファンドを表にまとめました。
ファンド (運用会社) | 購入可能な ネット証券 | 信託報酬 | 純資産額 (百万円) | 運用 年数 |
eMAXIS Slim S&P500 (三菱UFJ) | SBI、楽天、 マネックス、 auカブコム等 | 0.09372% | 2,976,833 | 5年 |
SBI・V・ S&P500 (SBI) | SBI、マネックス、 auカブコム等 | 0.0938% | 1,219,070 | 4年 |
たわらノーロード S&P500 (アセマネOne) | SBI、楽天、 マネックス、 auカブコム等 | 0.09372% | 4,282 | 0年 |
はじめての NISA・S&P500 (野村) | SBI、マネックス、 auカブコム等 | 0.09372% | 787 | 0年 |
楽天・S&P500 (楽天) | 楽天 | 0.077% | 11,516 | 0年 |
つみたてS&P500 (ブラックロック) | マネックス | 0.0586% | 361 | 0年 |
楽天S&P500を抜き信託報酬最安値を更新した「つみたてS&P500」だが、最安値はまさかの時限付き
信託報酬
11月17日に設定されたブラックロックの「つみたてS&P500」が信託報酬の最安値を更新しました。
業界最低水準の低コストを追求するとしている「eMAXIS Slim S&P500」や「楽天・S&P500」が信託報酬を下げるのか、下げるとすればいつ・どの程度なのか、気になるところです。
しかし、ブラックロックの「つみたてS&P500」には、信託報酬に関する微妙なルールがあります。
- 2026年5月7日までは信託報酬0.0586%
- 2026年5月8日以降は信託報酬0.09072%
つまり、最安値である0.0586%は最初の2年間のみであり、それ以降はその座を「楽天・S&P500」に明け渡すとなっているのです。
これではちょっと「楽天・S&P500」が追随することは無さそうですね。
信託報酬競争に関する注目点は、引き続き「eMAXIS Slim S&P500」が「楽天・S&P500」のラインまで値下げしてくるかどうか、だと思います。
もし下げたなら、S&P500投資信託は今後も「eMAXIS Slim S&P500」一強時代が続くことでしょう。
純資産額
純資産額は「eMAXIS Slim S&P500」がさらに増大し、2位の「SBI・V・S&P500」との差を広げています。
2023年に新規設定されたファンドの中では、「たわらノーロード S&P500」と「はじめてのNISA・S&P500」の伸びが鈍化してきました。
このまま純資産額が少ない状態で推移すると、トラッキングエラー等のパフォーマンス低下や隠れコストの増大等を誘発する可能性も否定できないので、少し心配ですね。
2023年の新規設定組の中では、「楽天・S&P500」の純資産額が急上昇中で、ついに100億円に到達しました。ここまでくれば、ファンド安定性に問題は無さそうです。
楽天証券のiDeCoにはS&P500ファンドが存在しないため、もしiDeCo対象商品に追加されたならば、純資産額はさらに増加が期待できるでしょう。
この記事を書いた後、楽天証券のiDeCoに、楽天・S&P500が追加されました。
2024年1月26日に追加されたので、これから少しずつ純資産額の増加に寄与していくものと想定しています。
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証券会社毎に異なる投資先ファンドの傾向
新NISA開始以前は、どのネット証券においても「eMAXIS Slim S&P500」がS&P500ファンドとして最有力の投資先であったように思います。
一時期、業界最安値の信託報酬で設定された「SBI・V・S&P500」にその座を奪われかけたことがありましたが、「eMAXIS Slim S&P500」が信託報酬を下げてきたことによって、圧倒的王者の地位を維持しています。
新NISA開始以降はどうなるのか。そのカギを握るのが2023年に設定された新ファンドのうち、昔の「SBI・V・S&P500」みたいに業界最安値の信託報酬で設定された「楽天・S&P500」と「つみたてS&P500」のように思えます。
新NISA開始前の資金流入状況を整理すると、次のようになっていると想定されます。
- SBI証券ユーザー等の投資先:「eMAXIS Slim S&P500」
- 楽天証券ユーザーの投資先:「楽天・S&P500」
- マネックス証券ユーザーの投資先:「つみたてS&P500」
もちろん、SBI証券ユーザーの中には「SBI・V・S&P500」、楽天やマネックス証券の中にも「eMAXIS Slim S&P500」という方はおられますが、新NISA開始前のトレンドとしては、投資先ファンドが証券会社毎に異なる傾向が目立ちます。
歴史は繰り返すいった感じで、「eMAXIS Slim S&P500」の信託報酬が「楽天・S&P500」と同水準に下げられたら、どの証券会社でも購入可能な「eMAXIS Slim S&P500」が圧倒的王者の地位に君臨し続けると思います。
もし信託報酬が現在のまま変わらなければ、純資産額における「eMAXIS Slim S&P500」の圧倒的優位はそうそう変わらないでしょうが、資金流入のトレンドは「eMAXIS Slim S&P500」「楽天・S&P500」「つみたてS&P500」の三つ巴で進んでいきそうです。
同じ指数のファンドに投資するならば、できるだけコストが安いファンドに投資する。
長期保有して資産拡大を狙うならば、小数点以下のわずかなコストでも無視するにはもったいないので、銘柄と証券会社の動向をチェックして納得のいく投資をしていきましょう。